大分昔、私が飼っていた一番目の愛猫が死んだ時、私は人生初めて「死」の荘厳さを見た。
それまで私は死んだ身内の姿も見たこともなかったし、また、ペットといえば昔、可愛がっていたメジロが死んだ時とても悲しかった記憶があるぐらいのものであった。しかし、私の愛猫はほぼ二十年ぐらい長生きして、最後は長く辛い闘病の末、ガリガリに痩せ細って、妹のベットの上で息絶えた。猫は最後に深く長い吐息を吐き出してゆっくりと、まるでスローモーションの映画を見ているかのような姿で横に倒れた。猫は、私が、自分の住むビルのゴミ箱の中から、私の誕生日の日救った仔猫であった。
「死」は荘厳。だから「死」を敬え。
私は人生六十年を超えた今、「死」を未だかってなく意識するようになった。人生無常、人間の「生」は、全くなんの予告もなくあっけなく了る、「死」は、全ての人間に突然訪れる。
私は花が好きだ。特に枯れていく花が。花は美しい。
「人間」とゆうずた袋は腐臭の中で死んでゆく。
花は老醜をさらけ出すことなく美しく朽ち果てる。
死を想え。
廖中仁 Liau Chung Ren
2022,10.10
Instagram@citywithoutatitle / @monochrome25_ren
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